復旦大学:中国 上海  訪問時期 20099

中華人民共和国国旗

お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科 生命科学 教授

 白楽ロックビル

 

中華人民共和国地図

はじめに

2009911、中国Chinaの上海Shanghaiで、復旦大学 (ふくたん だいがく)、中国語でも復旦大学、英語でFudan Universityを訪問した。日本の時差は1時間あり、日本が12時だと中国は11時である。成田から上海まで飛行機で約3時間の旅だった。

 大学の公式サイト(英語)

 

 

 

 

(地図の出典:外務省: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/index.html

 

はじめに... 1

事前準備... 2

中国の概要... 2

上海の街:全体像... 3

上海の街:建物と道路... 6

上海の街:洗濯物干し... 14

上海の街:働く庶民... 15

上海の街:地下鉄... 19

上海の街:公園の朝... 20

上海の街:朝市と朝食... 23

上海の宿... 25

中国の大学... 28

復旦大学の世界ランキング... 29

復旦大学の全体像... 31

復旦大学のウェブサイトと歴史... 32

復旦大学の場所と地図... 32

復旦大学の正門... 36

復旦大学の東門... 39

復旦大学キャンパスの散策... 42

復旦大学と日本との関係... 48

復旦大学の学部と大学院... 49

復旦大学のバイオ系・学部学科... 50

復旦大学のバイオ政治学・学部学科... 58

復旦大学の有名なバイオ系学者/バイオ政治学系学者... 58

復旦大学のモットー(校訓)とエンブレム(紋章... 58

復旦大学の学生... 60

復旦大学の学生食堂... 63

おわりに... 65

 

事前準備

事前に、復旦大学の事務局、教員、学生に何ら連絡していない。初めての中国観光旅行でふら〜と訪問した。

 

中国の概要

中国の正式名称は中国語(普通話)の簡体字による表記で、中*人民共和国(ヂョンファ・レンミン・ゴンフアグオ)(*は化の下にTという字)で、通称は中国(ヂョングオ)である。日本語では、中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく)で、通称は中国(チュウゴクと読む。まーイチオウ)。英語では、正式には、People's Republic of China(略称は、PRC)だが、通称はChinaである。普通に通称名は知っているだろうが、まーイチオウ。

 

中国の面積は、約960万平方キロメートルで、日本の約25倍ある。中国の人口は約13億人と世界1位多く、日本の約10倍である。首都は北京である。人種は、漢民族(総人口の92%)及び55の少数民族で、言語は、漢語(中国語)である。宗教は、仏教が多いが、イスラム教・キリスト教もある。

 

中国のG DP2008年)は38600億ドルで世界3位。世界2位の日本(49093億ドル)が間もなく抜かれるだろうと噂されている(出典: 世界銀行20099月)。国民1人当たりのGDP2007年)2,485ドルで世界107位である。一方、日本は世界23位で34,254ドルだから、日本の14分の1ということになる(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4540.html)。経済成長率が11.9%(2007年、数値は中国国家統計局修正値)ととても高い。都市部の登録失業率は4.0%(2007年末、数値は中国国家統計局)と失業率は悪くない。

 

通貨は、人民元(元 Chinese Yuan (CNY))で、1元=13.6円(200996日の為替レート)である。観光案内書によると物価は日本の4分の1とあったが、そんなに安くはない。実感として2〜3割安い程度だ

 

表.中国の経済

 

中国(世界ランク)

日本(世界ランク)

中国/日本

GDP2008年)

38600億ドル(3位)

49093億ドル(2位)

0.786

国民1人当たりGDP

2,485ドル(107位)

34,254ドル(23位)

0.073

経済成長率

11.9

 

 

 

上海の街:全体像

上海市(しょうかい・シャンハイし)は、アジア有数の世界都市であり、中国最大の商業・金融・工業都市である。一人当たりGDP13,189米ドル(2008年推定)で中国平均の約5倍で、香港を除くと国内最高である。日本の平均値34,254ドルと比べると、2.6分の1になる。


上海の地図の四角で囲われた10(3D)と11(3C)が観光地である。復旦大学は1Dの右上部分にある。

(上海市:地図の出典 JAL Map http://di.jal.co.jp/jalmap/?cityCode=SHA)

 

人口は重慶に次いで中国第2位の1,858万人(2007年末)である。中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。上海市居住証をもたない出稼ぎ労働者(いわゆる"民工")660万人以上もいて、合わせて総人口は2500万人になる。

 

20031229日、世界初の商業用のリニア(磁気浮上式鉄道、上海トランスラピッド(上海マグレブ))が営業運転開始した。浦東国際空港駅と上海市郊外の竜陽路駅の間、29.863km720秒で結び、営業最高速度は430km/hである。ドイツの技術で造られた。常設実用線の磁気浮上式鉄道としては、英国、ドイツに次いで世界3番目である。日本のリニアはどうなっているの?

 

2008828日、上海ワールドフィナンシャルセンター(SWFC、上海ヒルズ)が竣工した。日本の森ビルが出資し、199710月着工した。現在、建物の高さ(492m)は世界第2位で、展望台の高さは世界第1位。ちなみに建物の高さの世界第1位は台湾の台北101(508m)。ただ、今後、アラブ首長国連邦のブルジュ・ドバイが竣工すれば、ここが世界1位である(高さ808m以上)。そのうち、アメリカのシカゴ・スパイアも竣工予定である(高さ609.6m)。一方、201112月に竣工の予定の東京スカイツリーは高さ610mで完成時にも世界1位になれない(多分、世界2位)。

 

2010年に上海万博。つまり、上海国際博覧会が、201051日から同年1031日まで、開かれる予定である。

 

水道水は硬水なので、軟水に慣れている日本人が飲むとお腹をこわすとのことだ。滞在ホテルにはボトル入りの水が毎日無料で支給された。水道水を沸かして紅茶やジャスミンティにして飲むと、日本で飲むよりが美味しい。硬水のため?

 

気候は快適だった。湿度は60%程度と高い。治安は良い。

 

表.上海の全体像

 

上海(中国ランク)

東京

上海/東京

面積

6,340 km2

2,187km2

2.9

人口

2,500万人2位)

1,299万人

1.92

人口密度

3,940/km2

5,940/km2

0.66

1人当たりGDP

13,189ドル(1位)

34,254ドル

0.38

 水道水

硬水

軟水

 

 

上海の国際空港である上海浦東国際空港(しゃんはいぷどん-こくさいくうこう、Shanghai Pudong International Airport)は近代的な空港でとても広い。1999年開港で、上海の中心から東に約30km離れ、海岸わきにある。国際線の旅客数では世界最大である。

 

 

上海の街:建物と道路

上海市内の建物は高層ビルもあり、低層の古い建物と混在している。東京に比べると広告パネルが少ないことと、建物の色が地味だ。

 

上海は、高架道路(無料)が発達している。それでも、自動車の数が多く、朝も夕方も数時間は渋滞する。さらに今後、4本の高架道路が建設予定だというから、発展の度合いは大きい。

 

上海の自動車は右側通行で、アメリカ・カナダ、欧州諸国(ドイツ・フランス・スイス・イタリア・スペインなど)と同じ。日本は英国をまねたのだろうけど、左側通行は世界の少数派である。欧米追従の日本としては、珍しいシステムだ。こんなのは、世界統一すべきでしょう。

 

 

アパートの建物は窓の下に空調機の室外機が並ぶ。建物のデザインも色は地味である。

 

街の風景は東京とよく似ている。人種は、日本人は黙っていれば、ほぼ中国人に紛れると思うが、中国人から見ると、すぐ識別可能だそうだ。黒人をほとんど見ないが白人はかなりいる。特に観光地に白人はたくさんいた。

 

 

 

上海市内の大通りは片道2〜3車線もある。最初から道路の路幅が大きいのは素晴らしい。また、プラタナスの並木が美しい。歩道も広い。我がお茶の水女子大学(東京・文京区)が面する春日通りは、何十年もかけてチョボチョボと拡張工事をしている。最初から、しっかりした都市計画すれば、そんな無駄がなかったろうに。

 

 

 

上海の街:洗濯物干し

上海市内では洗濯物を部屋から突き出した棒にかける。

 

洗濯物を線路わきにも干す。

 

洗濯物を大通りにも干す。女性の下着だってドウドウと干しちゃうもん。

 

 

上海の街:働く庶民

交差点では、交通整理のおじさんやおばさんがいる。信号があるんですけど。

 

沿道のスイカ売り。「安いよ、安いよ! そこの旅行中のおじさんどう?」と左のおじさんが声をかけてきた。「この人、買うわけないよ!」と右のおじさんが笑ってる。3個1包みで10元(約140円)。全部売れるんだろうか?

 

移動中の??屋さん。移動しながら一服。

 

移動中の??屋さん。昔なつかし、リアカーが健在です。

 

沿道の賭け将棋(?)。「ボクに買ったら1万円あげるよ。負けると100円だ。そこのお兄さんどう?」。昔、日本でもみかけました。

 

右:小学生の下校姉妹、「おねーちゃん。焼き鳥を食べながら帰りましょうよ」。

左:OL姉妹、「おねーちゃん。悪い人がいるから手を離さないで」。

 

兵隊さん、兵舎に帰るのに、どうして繁華街を通るの? 上の美人姉妹が目に焼き付いて、今夜も枕抱えて寝る、アルヨ。兵隊さんはつらい、アルヨ。

 

上海の街:地下鉄

地下鉄の駅。入口上部の青い部分の解読。四角赤の1は地下鉄1号線。陝西南路駅。3番出口。

 

上海の街:公園の朝

日曜の朝6時ころホテルの近くの公園に行くと、ラジオなしでラジオ体操をしていた。どういうわけか、中高年だけで、若い人はいない。

 

剣舞のけいこもしていた。

 

太極拳も盛んアルネ。

 

達筆の書を書いている。水で石に書いている。これがホントの水墨画? 墨と紙を持参して、タダで書いてもらおうかしら?

 

 

上海の街:朝市と朝食

公園からホテルへの帰り道、上海庶民の「朝市」「朝ごはん」現場に遭遇した。

 

男だってランニングをまくればブラジャーに早変わりだ! それにしても、どういうわけかラーメン屋がない。街で見たラーメン屋は、日本の「味千ラーメン(あじせんラーメン)」で、その隣が吉野家で、これじゃ中国に来たかいがない。

 

 

街角のザクロ売り。見た目をうまそうだけど、種ばかりだよね。

 

上海の宿

大学の宿舎、寮、街の学生が利用する宿を経験すべきだが、今回は、航空券と宿がセットになったプランなので、そういう選択肢がない。ホテル選択はデラックスをお願いした。

 

錦江飯店 (日本語読み:キンコウハンテン)JIN JIANG HOTEL(中国語読み:ジンジャンホテル)、住所:上海市茂名南路59号  No.59 MaoMing Road, Shanghai China、クラス:5星、地区 : 上海/准海中路〜衛山路周辺、チェックイン 12:00、チェックアウト12:00 である。

 

2人でツインルーム608号室に1泊したが、朝食バイキング付き税サ込みで、ホテル予約サイトでは1室(2人)で18,900円とあった。中国の宿は、1室の値段で1人の値段ではない(欧米と同じ。日本と異なる)。

空港からホテルまでの旅行社のバスと現地係員


 
右の建物がホテル(錦江飯店


ホテル前から左側を見る

 
ホテル前から右側を見る


 

ホテルのエレベーター内からボタンを写す。1階がGで,日本の2階は1階。欧米式スタイル

 

中国の大学

「中国の大学ランキング|SciencePortal China」の記事によると、以下のようである。

2006年末までに、中国教育部に認可された高等教教育機関の数は2,600校以上になる。その内、大学・短大の数は1,867校であり、独立学院(各重点大学と民間組織が共同で設立した大学)の数は318校であり、社会人大学の数は444校である」。 

http://www.spc.jst.go.jp/enjoy/ranking/ranking_090409_2.html

 

日本の大学数は773校(国86、公92、私595)(2009年)だから、数で日本の2.4倍もある。大学進学率(入学者数 /18才人口)も23%で、4人に1人が大学に進む。かなり、知的社会だ。2007年に、大学生数が17388000人、大学院生数は1105000人になり、大学・大学院生数は世界第1位になった。

 

このように書くと、いけいけドンドンと感じるが、上海に限ると、2008年の大学受験生は993万人で、2009年は約1.6万人減の8.3万人である。さらに来年2010年は約7万人に減り、減少傾向は2016年まで続くという。原因は少子化だそうだ。

 

2001年のデータだが、中国全体の専攻学部は、工学が全体の約30%を占め、次いで文学、管理学、理学となっている。その頃、日本は社会科学37%、工学18%、人文科学16%である。中国全体の医学専攻生は8.15%だから、相当な数の医者が育成できる。その頃、日本では1.7%である。それで今の日本は、医者の数が少ないと嘆いているのだろうか? 中国との対比でいえば、いずれにせよ、中国は科学技術系を大きく育成していることになる。(シェリダンニュース 中国諸事情C http://www.geocities.jp/jimmysotsuka/NEW_JSZ/sheridan/etcchina_4.html

また、上海でのアンケート結果だが、大学で習得した専門と就職先の専門が全く異なる人が46%いる。この日本での値は見つからないが、多分、1020%ではないだろうか? この専門合致率はどの辺が妥当な数値なのだろうか? この専門合致率が低いのは、大学教育の無駄ととらえるべきなのか、応用力を身に着けさせたととらえるべきなのか? 大学教育では社会に役立つ技術と知識はそもそも教育できず、むしろ、大学という場が大事なのか、判断はつかない。

表.中国の大学全体像

 

中国

日本

中国/日本

大学数

1,867
(私239

773校(国86、公92、私595

2.4

大学生率18才人口

23

54.6

0.42

大学生数/人口千人

12.7

23.4

0.54

学部入学者数

570万人

61万人(女性43.7%

9.3

院生入学者数

424000

7.8万人(修士)(女性29.0%
1.6
万人(博士)(女性32.0%

上海の大学受験者数は8.3万人(2009年)、大学数27校(推定)

東京の大学数は国公立11校、私立111

(資料はいろいろ:「国別大学の数と進学率」http://d.hatena.ne.jp/next49/20081109/p2

平成21年度学校基本調査速報:文部科学省http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/08121201/1282646.htm

 

復旦大学の世界ランキング

大学ランキングは、以下の5情報源でランクが異なる(表)。

 

@1つ目のQS World University Rankings 2008」(英米系)は、上海1位、中国3位、世界113上海2位は上海交通大学Shanghai Jiao Tong Universityである。http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2008/overall_rankings/fullrankings/

 

A2つ目のWorld Universities' ranking on the Web」(スペイン)は、上海1位、中国4位、世界409上海2位は上海交通大学である。

http://www.webometrics.info/rank_by_country.asp?country=cn

 

B3つ目の2009年中国大学評価」(中国)は、上海2位、中国46位である。上海1位は上海交通大学である。ライバル大学の上海交通大学がここの情報源に関与しているため上海交通大学が上位にくると邪推してしまうhttp://www.spc.jst.go.jp/enjoy/ranking/ranking_090409_2.html

 

上記@〜Bでは、中国1〜2位は北京にある北京大学(Peking University)と清華大学(Tsinghua University)である。

 

C4つ目の「2009 Performance Ranking of Scientific Papers for World Universities」(台湾)では、上海2位、中国6位で、世界250位である。ちなみに、中国1位は、天津大学(Tianjin University)である。http://ranking.heeact.edu.tw/en-us/2009/Country/China

 

D5つ目の「パリ国立高等鉱業学校の2009年の世界ランキング」(フランス)では377位に入っていない。ここの基準は、世界優良企業トップ500の社長の出身大学という基準で選んでいる。なお、中国1位は、天津大学(Tianjin University)で、世界28位である。中国2位は、山東大学. Shandong University)で世界42位である。

http://www.ensmp.fr/Actualites/PR/EMP-ranking.html

 

大学ランキング

 上海

 中国

 世界

@(英米系)

1

3

113

A(スペイン)

1

4

409

B(中国)

2

46

C(台湾)

2

6

250

D(フランス)

 378位以下

 

なお、こういう大学ランキングを調べると、いつも感じるのだが、どうして、日本は日本の基準・価値観を世界標準にする思想・気概がないのだろう? 海外で評価されて初めて日本で評価する。野球、バイオリン、映画、そして科学研究、学問も。

 

復旦大学の全体像

復旦大学のキャンパスは4か所ある。メイン・キャンパスは上海市楊浦区邯鄲路220号にある邯鄲校区(校区=キャンパス)である。

 

学部生・院生が26,792人だが、内訳はハッキリしない。次項の日本語サイトでは、院生が1万人で学部生が1 5千人とある。修士と博士の割合は分からない。男女比も分からない。

 

表.復旦大学の全体像

国公私立

国立

大学ランキング
(除・上記D)

上海12

中国346

世界113409

所在地

大都市の周辺

古さ

1905年創立

学部生・院生

26,792

修士生

?人

博士生

?人

留学生

2,812

学期

前期20週 9月初旬〜1月下旬

後期19週 2月下旬〜7月初旬

学部

4年間

修士

2年間

博士号取得

平均?年間

兵役(男子)

なし

教授

652

准教授

794

研究員

1,081

他の職員

?人

教員の定年

70

 

(資料はいろいろ:一部は、「復旦大学データベース」http://daxue.liuxue998.com/170201%20fukutan%20ki%20.html

 

復旦大学のウェブサイトと歴史

復旦大学のウェブサイトは中国語であるが、一部英語がある。また、ハングルと日本語も少しだがある。内容の充実度からすると、5点満点で、日本語サイト1点(あるだけまし)、英語サイト3点、中国語サイト「?」点である(チューコクコ、わからない、あるね)。レイアウトや工夫がイマイチの印象である。

 

日本語サイトから一部抜粋すると以下の説明がある

http://iso.fudan.edu.cn/jap/index.htm

 

復旦大学は長い歴史のある、国内外にも広く知られる名門大学で 1905 年に設立された。「復旦」の文字は中国の古書「尚書大伝・虞夏伝」の名句「日月光華、旦復旦兮」からきており、「自分を向上させることを怠らない」と言う意味がある。中国国家教育部の直轄指導を受ける国家重点建設大学の一つであり、 2000 年には、上海医科大学を合併して新しい復旦大学となった。

 

 復旦大学は研究型の総合大学であり、全校学生数 4 4 千人余り、そのうち本科生は 1 5千人、院生は 1 万人近く、そして外国人留学生が 3,200 人余り在籍している。

 

 復旦は2,300 人の教学研究者の内、教授および副教授は 1,350人余り、またその中には博士指導教授が 746人、中国科学院と中国エンジニア院のアカデミー会員は 26 人も含まれている。

 

うーん、私立大学から国立大学になったんだ。日本では、そういう例があるのだろうか? 「上海医科大学と合併して医学部も有する」、それで、医学部が別のキャンパスなんだ。合併と聞くと、大学には適正サイズがあるように思う。大企業と小企業にはそれぞれの利点があるだろうけど、企業と違って、小さな国立大学の利点てなんだろう? 小さな国立大学がガンバっても自分では大きくなれないし、ガンバっても学長の収入が10倍になるわけでもない。大学規模の大小さまざまって、ナンカ変な気がする。

 

復旦大学の場所と地図

復旦大学の場所と地図は復旦大学のウェブサイトから拝借したが、キャンパスは4か所ある。

http://www.fudan.edu.cn/new_comservice/img/all.jpg

 

1.   校区(赤矢印)がメイン・キャンパスで上海市楊浦区邯鄲路220号にある。教育研究のほとんどがここで行なわれている。敷地は922,297平方米。お茶の水女子大学の茗荷谷キャンパス(といってもそのキャンパスしかありませんが)は79,009平方米なので、12倍ある。日本で一番大きい(かどうか?)筑波大学の筑波キャンパスは257万平方米あり、筑波大学の方が3倍おおきい。

2.   江湾校区はノースキャンパスと呼ばれ、メイン・キャンパスの北にあり、先端理工学のようだ。敷地は228,176平方米,でメイン・キャンパスの4分の1の広さ。

3.   枫林校区は医学部のようだ。メイン・キャンパスの南西(左下)にある。敷地は192,123平方米でメイン・キャンパスの5分の1の広さ。

4.   张江校区は新しいキャンパスで、一期工事の建設地は92,970平方米でメイン・キャンパスの10分の1の広さ。メイン・キャンパスの南東(右下)にある。

 

中心的なキャンパスの邯?校区に出かけた。上海市の北部の文教地区にあり、周辺にたくさんの大学があり、例えば、同済大学、上海外国語大学、上海財経大学、上海体育学院などがある。

 

街の中心から20km程度離れている。地下鉄3号線で4元(約140円)、大柏樹駅(大柏樹路駅、大柏路駅ともある。ヘンですね)で下車(図の赤矢印方向にある)。邯鄲路という大通りを東に約2km、徒歩30分ほどで左に最初の門がある(図の赤2)。さらに2分ほど歩くと左に正門がある(図の赤1)。守衛がいるけど、スイカされないので、ドンドン入る。バスはいくつかの前にバス停があるので、バスの方が便利だろうが、路線と値段を調べていない。

地下鉄3号線大柏樹駅

 

以下は大学のウェブサイトから得たキャンパスの地図だ。地下鉄3号線大柏樹駅は地図中央の左側にとび出ている道路の先にある。正門は地図の右側にある縦断する道路の上から4分の1あたりのピンクの近くだ。

http://www.fudan.edu.cn/new_comservice/img/handan.jpg

大柏樹駅から歩くと左にある最初の門

 

復旦大学の正門

復旦大学の正門には、兵隊のような門衛がいる。正門前は少し広い。ただ、全部で5つの入口を見たが、正門から出入りする学生は少数だった。入口に大学名が大きく書かれている門はここしかない。



復旦大学の正門360度の動画も見てみよう。



復旦大学正門から左側をみる

 

復旦大学正門から正面をみる

 

復旦大学正門から右側をみる

 

復旦大学正門を入ったところに毛沢東の銅像がある

 

復旦大学の東門

復旦大学の東門。この門から出入りする学生は多かった。入口に大学名が大きく書かれた看板が見当たらない。
 


復旦大学の東門360度の動画も見てみよう。

 

復旦大学東門の左側

 

復旦大学東門の正面:学生寮がある

 

復旦大学東門の右側

 

復旦大学キャンパスの散策

復旦大学の中心的な建物である本部棟タワー。この前の芝生は広いが、学生は少数。

 

キャンパス内は案内板もあり、緑も多い。

 

構内で手をつなぐ男女は珍しい。退学ってことはない。抱擁する男女は・・・見ませんでした。

 

自転車は勝手に駐輪できないが、自動車は構内を勝手に駐車場にしても今のところ問題ない(多分)。

 

復旦大学・図書館。外観はパッとしない。

 

自転車が多い。右の建物は食堂。

 

 

偉い学者の像(多分)

 

 

トイレはかなり前近代的。上は男性用の小。一列にアナログ方式に並んで用をたすシンプルな構造。臭いはきつくなかった。下は、大。下部が溝状に切ってあるシンプルな構造。前後のしきりとドアはあるけど、前後に使用者がいれば、他人のモノが流れてくる(推定)。

 

構内の銅像:「驢背詩思」とあるから「ロバの背に乗っていても詩作を考える」だろう。不肖・ハクラク、不学で誰の像だかわからない。

 

写真の左の木を見てほしい。建物の屋根を突き抜けている。木を切らないで屋根の瓦を並べたようだ。こういうの、なんか、うれしくなるね。

 

復旦大学と日本との関係

外務省のデータでは、中国に住む日本人は127,905名(2007年)である。もちろん、日本に住む中国人は560,741名(2006年、法務省統計)と5倍も多い。

 

復旦大学は、上海市内の大学では最も日本人留学生の多い大学で、全留学生770人の内の333人が日本人だという。但しこの人数は語学留学生だと思う。  

 

中国語の語学留学エージェントの、日本アジア文化センター(http://www.jacc.co.jp/)がリストしている「おすすめ中国大学」では、復旦大学は中国で第3位とある。

日本の姉妹校は、早稲田大学である。

 

復旦大学の5人の顧問教授(Consulting Professors)の1人に、堀江正弘(国立政策研究大学院大学教授)がいる。復旦大学日本研究センター顧問教授である。専門は行政学。総務省官僚上がりの教授である。政策研究大学院大学は官僚との関係が強い。

 

復旦大学の25人の訪問教授(Visit Professors)の1人に、金子元久(かねこ もとひさ)(東京大学教育学部教授)がいる。専門は比較大学論である。

 

生命科学学院の教授に長谷川政美(Hasegawa Masami)(男性、19443月生れ)がいる。専門は生命情報学である。復旦大学のウェブサイトには、1986年に、生命科学学院の教授に就任したことになっている。日本の別の情報では、20073月に統計数理研究所教授を定年退職し、復旦大学教授とある。研究は、DNAや蛋白質の配列データから,統計モデルに基づいて進化系統樹を推定する方法の開発である。

 

復旦大学の学部と大学院

復旦大学は以下の29組織(schools and departments)がある。SchoolsCollegeは19あり、これを学院と呼ぶが、日本の学部に相当するようなので、翻訳では学部とする。赤色はバイオ系を含む学部である。

 

学部構成の特徴は、リストを見てて、「ふ〜ん」と思う程度だが、ジャーナリズム学部、ソフトウェフ学部、ネットワーク教育学部など、メディアや情報ソフトの人材育成がさかんということだ。農学部がないのは少しきになった。教育学部は上海師範大学があるからないのだろうか?

 

復旦大学は、環境科学・工学部(School of Environmental Science and Engineering)を新設予定だ。復旦大学は新しい動きに敏感である。大学・大学院レベルの人材育成は最低10年かかるので、新しい社会動向に迅速に対応できることはうらやましい。日本も、現在、医者が不足しているからといって、現在、医学部の入学定員を増やすのは、なんか変だ? 不足は急務なので短期的解決策が必要でしょう。それなのに長期的解決策をとる。どうして? そもそも、急に不足するわけないと思うのだが。

 

復旦大学の全学院(学部)

1.  人文学院 Fudan College

2.  外文学院 College of Foreign Language and Literature

3.  ジャーナリズム学院 School of Journalism

4.  法学院 School of Laws

5.  経済学院 School of Economics

6.  経営学院 School of Management

7.  技術科学と工程学院 School of Microelectronic

8.  生命科学学院 School of Life Science

9.  上海医学院 Shanghai Medical College, Fudan University

10.  公共健康学院 School of Public Health

11.  薬学院 School of Pharmacy

12.  看護学院 School of Nursing

13.  情報科学・工学院 School of Information Science and Engineering

14.  国際関係・公共行政学院 School of International Relations and Public Affairs

15.  社会発展・公共政策学院 School of Social Development and Public Policy

16.  数学院 School of Mathematical Sciences

17.  ソフトウェフ学院 Software School of Fudan University

18.  ネットワーク教育学院School of Network Education

19.  国際文化コミュニケーション学院School of International Cultural Communication

 

復旦大学のバイオ系・学部学科

医学部(Shanghai Medical College, Fudan University)、公共健康学部(School of Public Health)、薬学部(School of Pharmacy)、看護学部(School of Nursing)の4学部は日本では医学系である。バイオ研究は生命科学部(School of Life Science)が担っている。

 

パブメドでバイオ系論文を「Fudan University」で検索すると7078報ある。発表年は1983年〜2009年(200997日アクセス)なので、年間262報発表していることになる。教員数が不明なので、1人当たりどれだけ論文を発表しているか不明である。

 

生命科学部(Life Sciences)は6学科+2研究所から構成されている。生命科学部には英文のウェブサイトがあるのでそこから情報を読み解こう。http://life.fudan.edu.cn/english/

 

生命科学部は6学科+2研究所である

1.   生態・進化生物学科Department of Ecology and Evolutionary Biology

2.   遺伝学科 Institute of Genetics/Department of Genetics

3.   生化学科Department of Biochemistry

4.   バイオテクノロジーセンターCenter for Biotechnology

5.   生理学・生物物理学科Department of Physiology and Biophysics

6.   微生物・微生物工学科Department of Microbiology and Microbial Engineering

◆ 神経生物学研究所Neurobiology Institute of Fudan University

◆ 発生生物学・分子医学研究所Institute of Developmental Biology & Molecular Medicine

 

生命科学部は、1986年創立で、教授が39人、准教授が47人、研究員が13人いる。学部生は670人(ということは一学年、約170人)、院生は380人、留学生が8人である。日本の理系学部に比べると小ぶりであるが、生命科学部として独立していると考えると、むしろ大きいと言える。日本でバイオ系学部が独立しているのは、筑波大学と東京工業大学である。東京工業大学・生命理工学部の構成員をみると、教員85人、学部生668人(内女性125人)、修士生298人(内女性85人)、博士生145人(内女性37人)とある。復旦大学の生命科学部の人的規模と、東京工業大学・生命理工学部はよく似ている。

 

学部生/教員の値は、低い方が教育の質が高いと考えられる。筑波大学で7.0、お茶の水女子大学で11.0、早稲田大学で42.2である。復旦大学の生命科学部は、ナント、7.8である。スゴイ。よく似ている東京工業大学・生命理工学部は、7.9で、当然ながら良く似ていた。

 

生命科学部・教授39人の内の9人が2005年―2008年に教授就任していて、男性5人と女性4人である。その教授就任年齢、博士号を取得した国・年齢を分析した(表)。男性と女性の差がなく、教授就任年齢は平均38.2歳〜38.3歳とかなり若い。

 

博士号取得国は、中国が3人で、他は米国、英国、ドイツ、ロシア、日本(岐阜大医学部)が1人である。1人は不明あるいは取得していない。取得国がかなり散っていて、特定の国に支配されないように意図しているのだろうか? このバランスはとてもいいと思う。

 

以前、台湾の国立台湾大学・生物資源農学部・農業化学系を調べたことがある。その学科には、15人の教員がいて、8人がアメリカで博士号を取得したが、海外の特定の国で博士号を取得することは問題あると思う。  

 

博士号取得年齢は、平均32歳である。25歳の人もいるが、中国の大学で取得している。日本では2回飛び級しないと取得できないのでかなり難しい。

 

表.復旦大学・生命科学部

教授数

39

准教授

47

研究員

13

教授の博士号:2005年―2008年就任の9

 取得年

平均32歳(3331253332323335

 取得国

中国3、米国、英国、ドイツ、ロシア、日本(岐阜大医学部)

教授就任年齢:2005年―2008年就任の9

 男5

平均38.2歳(3835353746

 女4

平均38.3歳(40374135

学部生

670

学部生/教員

7.8

院生

380

留学生

8

 

復旦大学・生命科学部の正面。一見4階建てに見えるが3階建て。レンガ作り。建物は古いし、どちらかというと汚い。周囲は木立。

 

復旦大学・生命科学部の正面入り口の左についている金看板。

 

復旦大学・生命科学部の裏面に「基礎生物学実験室 実験材料培養用地」がある。イヤ、見た目は単なる木立と草むらという印象でした。まず看板、次の写真が少し引いて全体像を撮りました。
 

 

復旦大学・生命科学部の裏口の自転車。整頓はされているけど、5年ほど野ざらしにしたような代物。車輪はさびているタイヤは外れてる。捨てたらいいのに。

 

復旦大学・生命科学部の横。通行人の女子学生が傘をさしているが、雨ではなく、日傘。写真ではきれいな建物に見えるが、現物はそうではない。

 

復旦大学・生命科学部の脇のキャンパス内道路。ここは広く、歩道もしっかりあり、並木もきれい。

   

 

復旦大学・授業風景。どこの国も、講義がはじまると、チョー眠くなる学生が若干いる。



復旦大学・生命科学部の植物科学研究所 



復旦大学・生命科学部の植物科学研究所の入口 

 

復旦大学のバイオ政治学・学部学科

バイオ政治学は、大きくいえば「科学技術と社会」という枠組みである。復旦大学どのような学部学科があり、どんな研究者がいるのか、今回、調べていない。印象としては低調のようである。

 

復旦大学の有名なバイオ系学者/バイオ政治学系学者

復旦大学の関係者にノーベル賞受賞者はいない。

卒業生で、バイオ系学者の有名人は以下のようである。

l  童第周(Tong Dizhou1902.05.28 1979.03.30男性):発生生物学者。ベルギーのブリュセル自由大学で博士号取得。魚のクローン作製に世界で最初に成功した。

 

バイオ系教員で有名人は以下のようである。

l  談家Tan Jiazhen1909.09.15 2008.11.01男性): 遺伝学者, Caltech, カリフォルニア工科大学博士号取得. 中国最初の遺伝学プロジェクトを設立。米国科学アカデミー会員。

 

復旦大学のモットー(校訓)とエンブレム(紋章

大学にモットー(校訓)がある。こういうのって教育機関としては大事だと思うけど、日本ではあるのかないのか、あまり聞かない。

http://www.fudan.edu.cn/englishnew/about/images/xiaoxun.gif

復旦大学のモットー(校訓)は5ジャンルあった(図)。(http://www.fudan.edu.cn/englishnew/about/intro.html

漢字がわかりにくので不明な字を○にした。

1.   教学的原則:通才教育、○、

2.   教学的理念:寛口径、厚基礎、重能力、求刷新

3.   校訓…5の次にまとめた

4.   学風:刻苦、○、求突、創新

5.   校風:文明、団結、健康、○

 

校訓は「博学而篤志、切問而近思」とあり、これは「論語」の言葉で「博学で意志が固く、果敢に疑間を探求する」である。もっと砕くと「目標をしっかりと定め、学業は幅広く・積極的に質問をし、勤勉に考える」という意味だそうだ。学問の姿勢として素晴らしい!

 

復旦大学に紋章(エンブレム)もある。「自分を向上させることを怠らない」という「復旦」の字以外に、「博学而篤志、切問而近思」と校訓が書かれている(右)。

 

似た紋章が大学のフェンスに取り付けてある。ここは「復旦」の字だけで、校訓ない。しかし、なかなかいい。File:Fudan.png

 

キャンパスのフェンスにこの紋章が取り付けてある。しゃれている。

 

復旦大学の学生

復旦大学の学生の顔立ちは日本人と区別がつかないが、ファッションは、少しラフである。男子学生も女子学生もTシャツと、パンツあるいはハーフパンツが多い。女子学生のスカートは少数派である。チャイナドレスは、残念ながら、見かけません。街のレストランで呼び込みをしているおねえさんしか着てません。男女とも自転車に乗っている学生が多い。バックパックが定番である。日傘をさしている女子学生もそこそこみかけた。

 

 

 

 

復旦大学の学生食堂

「大学・研究所」探訪では大学・研究所のランチ定食を食べるのも調査対象にしている。しかし、コマッタことに、宿泊したホテルの朝食がバイキングで、コマッタことに、「うまい」のである。ゆったりといただき、復旦大学ではランチを食べる余裕(食欲)がなかった。

 

案内にはメインキャンパス(邯鄲校区)に2件のレストランがある。3階建ての「Morning Garden」は、朝食だけでなく、朝昼晩の3食を提供する。1階と2階に学生用の食堂が4室あり、3階には教員食堂がある。教員食堂は昼は教員だけだが、夕食は学生も使用できる。もう一軒キャンパスの南東に「Grand Restaurant」があるが、訪問していない。

 

食欲がないけど、上海の繁華街を歩きながら1つ2元(約27円)の焼き肉まん(直径4cm)を購入した。焼き肉まんのお店には、20人ほどの長蛇の列ができていて、とても繁盛していた。1人で10個購入する人が多かった。

 

 

おわりに

上海はドンドン発展している。街のあちこちでビルを建設中である。しかし、上海1〜2位の復旦大学は、キャンパス中央にそびえる本部棟タワービルこそ立派だが、生命科学部の建物の外観はボロイ。室内の設備は見ていないが、それほど良くはないだろうと推察してしまう。2006年に訪問した欧州では各大学が現代的なビルを建てていたのに、上海は街の発展に比べ、大学は後回しなのだろうか。台湾の国立台湾大学と比べても、少し見劣りした(国立台湾大学も老朽化している建物が多いが、図書館など一部はとても立派だった)。

 

「復旦大学:上海」はここでおしまい。貴女も留学してみます?